『クィア』を観た!【ルカ・グァダニーノ】

映画『クィア』のあらすじと感想

A24のXアカウントで数ヶ月前に目にしていた『クィア』(北米配給はA24)がこの度公開、ということで気になっていたので観てみた。

監督は「チャレンジャーズ」などのルカ・グァダニーノ。

『クィア』だいたいこんな話

1950年代のメキシコシティにて、中年のアメリカ人駐在員のリー(ダニエル・クレイグ)はいつものように酒と煙草を嗜んでいた帰りに街なかで美しい青年ユージーン(ドリュー・スターキー)に一目惚れする。どうにかこうにか会話をするようになり、そして酒を酌み交わすようになり、自宅に誘ったところ来てくれてついには情熱を叶えるに至る。しかし、ユージーンは気まぐれにリーにそっけなく接しリーはみっともないほどユージーンを求めてしまう。ある目的で南米旅行に出ることにし、意を決してユージーンを誘い承諾してもらえたため、二人は南米へと旅立ち…という話。


オープニングに「オール・アポロジーズ」という曲がかかり、さまざまなアイテムがリーのベッドに並べられたカットが続くのだが、ここですでに映像がイイためなにやら引き込まれた。フィルムでの撮影に加え、美術や衣装、そして音楽がとても良い映画だった。ちなみに全編通して映画の時代とはあっていないものの粋な楽曲が数多く使われている(ニルヴァーナの曲が多いが、カート・コバーンがバロウズを敬愛していたそうな)。

ウィリアム・バロウズの自伝的な小説を原作として、後半は映画独自の展開をもたせた構成になっている模様。そのことや、バロウズの生涯におけるエピソードを知っていたほうが終盤はより楽しめそうな気がする(あとでパンフ読んだり調べてみて意味がわかったり)。3章+エピローグという構成で、それぞれの章で色が出ているのだが3章の南米密林フェイズは度肝を抜かれる展開になっていく。

全編を通してダニエル・クレイグの絶妙な痛さと愛おしさ、ドリュー・スターキーのオムファタルな魅力が溢れているのであった。

筆者
筆者

なんともピュアなラブストーリーであった