『クイーンダム 誕生』を観た!【ロシアのクィアパフォーマーを追うドキュメンタリー】

クイーンダム誕生の感想

『クイーンダム 誕生』概要

原題Queendom
製作年2023
製作国フランス、アメリカ
監督アグニア・ガルダノバ
時間91分
配給Elles Films

LGBTQへの弾圧が強いロシアに突如現れた21歳のクィアパフォーマー、ジェナ・マービンを追ったドキュメンタリー。唯一の家族である祖父母からの愛情と不理解、幾度も続く衝突、活動を受けての学校からの除籍、モスクワでの反戦デモへの参加による逮捕、徴兵の危機におけるジェナの苦悩、そして国を出る選択と想いが描かれていく。

『クイーンダム 誕生』予告編

『クイーンダム 誕生』の感想

モスクワから1万キロほども離れた極寒の田舎町マガダンで祖父母に育てられたジェナは幼い頃から自身がクィア(ノンバイナリー)であることを認識しており、保守的な町でときに暴力や差別を受けてきた過去があった。その痛みやトラウマを自らの身体をフルに活かしたアートへと昇華させ、「監獄」であるロシアの外でSNSを通して波及していく。そんなさなかのウクライナ侵攻、そして反戦デモへの参加による逮捕、徴兵の危機から亡命、そして今へ至る。

度々挿入される現実離れしたパーフォーマンス映像における彼女の存在感に圧倒された(特に泥の中のパフォーマンスがすごい…!)。ウクライナ侵攻への反対や、LGBTQ+の活動を禁止する法律と政治、社会に抗議するための街中での無言のパフォーマンスもまた心ざわつくものがある。そんな「ジェナ」として街に出れば自分は無敵だと彼女が語る一方、ひとりの人間として悩み傷つくさまもまた同時に描かれていく。

筆者
筆者

おじいちゃんおばあちゃんも、理解できないながらも孫を想う愛情ゆえに毎度説教しちゃう感じ、わからなくはないんだよな〜仕方ないんだろうけど前時代的で。価値観の断絶に哀しさがあったよ

それにしても「仕事がないなら軍で仕事をもらえ」となってしまうのが戦争中で徴兵制がある国の実情だと突きつけられるのは他人事ではない今日このごろ…。

ちなみに1月末にプロデューサーと共に来日もしている↓